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大阪地方裁判所 平成6年(ワ)11701号 判決 1997年7月28日

原告

山崎

被告

山﨑隆幸

ほか一名

主文

一1  被告山﨑隆幸は、原告に対し、金二四六七万二四八五円及びこれに対する平成三年一〇月二五日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

2  被告大東京火災海上保険株式会社は、原告に対し、原告の被告山﨑隆幸に対する判決が確定したときは、被告山﨑隆幸と連帯して、前号の金員のうち金一〇〇万円及びこれに対する平成三年一〇月二五日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  原告の被告らに対するその余の請求をいずれも棄却する。

三  訴訟費用は、原告と被告山﨑隆幸との間に生じた分については、これを四分し、その三を被告山﨑隆幸の、その余を原告の負担とし、原告と被告大東京火災海上保険株式会社の間に生じた分については、全部被告大東京火災海上保険株式会社の負担とし、補助参加により生じた分については、全部補助参加人の負担とする。

四  この判決の第一項は、仮に執行することができる。

事実及び理由

第一請求

(平成六年(ワ)第一一七〇一号事件)

被告山﨑隆幸(以下「被告隆幸」という。)は、原告に対し、金三三〇〇万円及びこれに対する平成三年一〇月二五日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

(平成七年(ワ)一九七二号事件)

被告大東京火災海上保険株式会社(以下「被告大東京火災」という。)は、原告に対し、金一〇〇万円及びこれに対する平成三年一〇月二五日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

第二事案の概要

本件は、被告隆幸が原告居住家屋のガレージ内で自動車のエンジンを切り忘れたため、右家屋に排気ガスが充満し、就寝中の原告がその排気ガスを吸って一酸化炭素中毒の傷害を負った事故につき、原告が、民法七〇九条に基づき、被告隆幸に対し、損害賠償の内金を請求(平成六年(ワ)第一一七〇一号事件)しているほか、被告隆幸(原告の孫)の任意保険会社である被告大東京火災に対しても直接右損害賠償の内金を請求(平成七年(ワ)一九七二号事件)している事案である。

一  争いのない事実等(証拠によって認定する場合には、証拠を示す。)

1  事故(以下「本件事故」という。)の発生

(一) 発生日時 平成三年一〇月二五日午後一〇時五〇分ころ

(二) 発生場所 大阪府豊中市北桜塚二丁目三番八号山﨑政一(以下「亡政一」という。)・山﨑崧(以下「訴外崧」という。)方家屋内

(三) 被害者 原告

(四) 加害車両 普通乗用自動車(大阪三五ろ一三八一)

(五) 加害車両運転者 被告隆幸

(六) 事故態様 被告隆幸は、本件事故発生日時に本件事故発生場所である家屋の一階ガレージに、自らが運転していた加害車両を駐車させたのであるが、その際エンジンを切り忘れ、エンジンをかけたままの状態で長時間放置したため、右家屋内に排気ガスを充満させ、右家屋二階で就寝中の被害者を排気ガスによる一酸化炭素中毒に陥れたものである。

2  原告の負傷

原告は、右事故により低酸素血症、一酸化炭素中毒、こん睡及び急性呼吸不全の傷害を負った(甲七の1、乙一)。

3  治療経過

原告は、右負傷により次のとおり治療を受けた(甲七の1、2、八の1、2、九、一〇の1ないし3)。

(一) 平成三年一〇月二六日から同年一一月五日 林病院に入院

(二) 平成三年一一月六日から同月一二日 同病院に通院(実通院日数一日)

(三) 平成三年一二月五日から平成六年二月一〇日 国立療養所刀根山病院に通院(実通院日数五六日)

二  争点

1  被告隆幸の過失

(原告の主張)

被告隆幸は、加害車両の使用を終了して下車するに際しては、同車両のエンジンを確実に切り、亡政一及び訴外崧方家屋内に排気ガスを充満させないようにして、右家屋内に居住する家族の生命、身体等を害しないようにする注意義務があるのに、これを怠り、同車両のエンジンを切り忘れ、エンジンをかけたままの状態で長時間放置した過失がある。

2  原告の後遺障害の程度及び本件事故との因果関係

(原告の主張)

原告は、平成六年二月一〇日に症状固定となったが一酸化炭素中毒によるパーキソニズムにより両上肢機能障害、体幹機能障害(座位不能)等の神経系統の機能及び精神に著しい障害を残し、随時介護を要する後遺障害が残った。これは自動車損害賠償保障法施行令二条後遺障害別等級表二級三号(以下単に「後遺障害等級〇級〇号」とのみ記載する。)に該当するものである。

原告は、本件事故前は独力で歩行していたし、視力聴力にも不自由はなく、人と普通に会話をしていた。また、食事、衣服の着脱、排泄等も他人の力を借りずに独力でできていた。しかしながら、原告には本件事故後右のとおりの後遺障害が生じたもので、原告の症状は、一酸化炭素中毒間歇型の症例であり、本件事故との因果関係は明らかである。

(被告大東京火災の主張)

原告には、もともと痴呆と右脳底核の小梗塞が既往症として存在しており、その症状と治療経過に照らすと、事故と原告の傷病との間には因果関係はないというべきである。すなわち、一酸化炭素中毒のように脳の器質的な障害が生じる場合に、原告のように痴呆状態に極端な変化があることはなく、四肢障害も一酸化炭素中毒によって生じるパーキンソン症候群の特異的症状、所見とも異なり、いずれも原告にもともと存在している既往症たる脳血管障害に直接起因するものである。仮に因果関係があるとしても、本件事故の寄与割合は二割から三割にとどまるものである。

3  損害額全般(原告の主張)

(一) 治療費 六万三九五一円

内訳

(1) 林病院分 一万八五六六円

(2) 刀根山病院分 四万五三八五円

(二) 入院付添費 六万六〇〇〇円

入院期間一一日間につき原告の長男の嫁山﨑禮子(以下「訴外禮子」という。)が付き添ったもので、一日当たり六〇〇〇円が相当である。

(三) 入院雑費 一万四三〇〇円

入院期間一一日間につき、一日当たり一三〇〇円が相当である。

(四) 通院付添費 二二万八〇〇〇円

通院実日数五七日につき、訴外禮子が付き添ったもので、一日当たり四〇〇〇円が相当である。

(五) 休業損害 八九一万六五五〇円

原告は本件事故当時主婦として家事労働に従事していたが、本件事故により、事故当日から症状固定日(平成六年二月一〇日)までの一一八一日間休業のやむなきに至った。そこで、原告の休業損害は、平成三年度賃金センサスの産業計・企業規模計の女子労働者(六五歳以上)の平均給与金二七五万六一〇〇円(年収)を基準として、右金額を一年の日数である三六五で除し、休業日数を乗じた右金額が相当である。

(六) 後遺障害逸失利益 九九七万四六九三円

原告には、本件事故により後遺障害等級二級三号の後遺障害が残存している。原告は、右後遺障害により労働能力を一〇〇パーセント喪失したから、平成四年の賃金センサスの産業計・企業規模計の女子労働者(六五歳以上)の平均給与金二七九万八五〇〇円(年収)に稼働期間年数四年の新ホフマン係数三・五六四三を乗じた右金額が相当である。

(七) 傷害分の慰謝料 三〇〇万円

(八) 後遺障害慰謝料 二五〇〇万円

(九) 将来分の近親者介護料 一二八六万四七一七円

訴外禮子が、原告の日常生活において介護する必要があり、その介護費用は、一日当たり六〇〇〇円であるから、右金額に一年間の日数である三六五を乗じ、さらに原告の余命七年間の新ホフマン係数五・八七四三を乗じた右金額が将来分の介護料として相当である。

(一〇) 弁護士費用 三〇〇万円

第三裁判所の判断

一  争点1(被告隆幸の過失)について

1  前記争いのない事実等及び証拠(甲三、五、六、一四、被告隆幸本人、弁論の全趣旨)を総合すれば、以下の事実が認められる。

(一) 本件事故の発生現場は、鉄筋コンクリート造りの三階建ての建物(以下「本件建物」という。)内で、一階は駐車場兼作業場、二階は亡政一と原告夫婦の寝室、居間、台所、洗面所等、三階は訴外崧夫婦、被告隆幸の部屋からなっている。

(二) 被告隆幸は、平成三年一〇月二五日午後一〇時五〇分ころ、加害車両を運転して帰宅し、本件建物一階のガレージに駐車した。その際、被告隆幸は加害車両のエンジンのスイッチを切り忘れ、翌朝までエンジンのスイッチは入れられたままであった。このため、加害車両の排気ガスが右建物の一階から二階に充満し、二階で寝ていた亡政一と原告(被告隆幸の祖父母)が排気ガスを吸って一酸化炭素中毒になり、両名は翌朝午前七時五〇分ころ訴外崧によって倒れているところを発見されたものの、亡政一は一酸化炭素中毒により死亡した。

2  以上の事実からすれば、被告隆幸には、加害車両の使用を終了して下車するに際しては、同車両のエンジンを確実に切り、亡政一及び訴外崧方家屋内に排気ガスを充満させないようにして、右家屋内に居住する家族の生命、身体等を害しないようにする注意義務があるのに、これを怠り、同車両のエンジンを切り忘れ、エンジンをかけたままの状態で長時間放置した過失があることは明らかである。なお、補助参加人は、本件事故は自動車の自賠法三条及び二条二項にいう「運行」によって生じた事故とはいえないと主張するが、前記認定の被告隆幸の加害車両による帰宅及びその後のエンジンのスイッチの切り忘れから原告の負傷(一酸化炭素中毒等)に至る経緯からみて、本件事故は同車の運行によって生じたものと解するのが相当である。

二  争点2(原告の後遺障害の程度及び本件事故との因果関係)について

1  前記争いのない事実等及び証拠(甲七の1、2、一〇の1ないし4、一一、一二、一七の1ないし7、一八の1ないし6、乙一ないし四、一〇、証人山﨑禮子、弁論の全趣旨)を総合すれば、以下の事実が認められる。

(一) 原告は、本件事故当時八〇歳であったが、本件事故に遭うまでは身の回りのことは一人ですることが可能であったし、ときどき家事をすることもあったし、散歩をすることもあった。ただ、昭和六〇年ころ、原告は、日中から眠り込んだり、娘の顔を見ると泣いたりといった行動を見せたことがあり、躁鬱病と診断され通院したことがあった。

(二) 平成三年一〇月二六日、本件事故により原告は意識不明の状態となり林病院に緊急搬送され、「一酸化炭素中毒、低酸素血症、昏睡、急性呼吸不全」とされたが、酸素吸入で一〇数分後に動脈血酸素分圧などの改善がみられ、以後の回復が順調に進み、三日後の同月二八日には意識は殆ど回復し、同年一一月五日まで入院加療を受けて退院した。なお入院中看護婦によって原告に痴呆症状がみられることが記録されている。

(三) ところが、退院後の平成三年一一月一二日、原告が林病院に通院した際に、原告は「歩行パーキンソン様である。」と診断された。さらに、同年一二月五日に原告が刀根山病院を受診した際には、神経学的所見として、知能レベルの低下、介助で歩行が可能であるが小幅歩行、起立不能、中等度の筋固縮、手指振戦、四肢腱反射の軽度亢進が認められるとされ、一酸化炭素中毒によると思われるパーキンソニズムと診断されている。右刀根山病院受診の際、原告の皮膚は一酸化炭素中毒の急性期に観察される鮮紅色ではなかったが、同病院の姜医師は、それは回復期に入っているためと推察し、また、原告の家族は、医師に対して原告は七年前から痴呆であると述べた。

(四) 一酸化炭素中毒の際の脳障害は、両側の脳底核(淡蒼球)に変化が生じるのであるが、平成四年一月一六日に実施されたCT検査で、原告には右脳底部のみに裂孔梗塞が認められた。

(五) 原告は、平成六年二月一〇日に症状固定とされ、症候性パーキンソニズム(一酸化炭素中毒による)と診断され、歩行障害、高度の四肢筋、頚筋の筋固縮、独歩不能、知能障害等の症状が認められた。

(六) 一酸化炭素中毒の病型は、その臨床経過の違いにより二種類に分けることができ、そのうちの一つが急性期の障害からいったん回復し、数日から数週間の無症状の時期の後に再び精神神経症状が出現する間歇型である。間歇型は高齢者に多い傾向があり、臨床特徴としては、<1>無関心、多幸あるいは抑うつ、病識欠如などの感情・意欲・注意面での障害、<2>多彩な高次脳機能障害と著明な保続、それらに基づく行動異常や精神異常、<3>仮面様顔貌、ヒポキネジア、上半身に優位な固縮、小声、姿勢反射障害を特徴とするパーキンソニズム、自律神経失調症状等の神経症状がみられることである。

2(一)  以上の事実を総合すれば、原告は本件事故前から脳に障害があり、軽度の知能障害もみられたが、本件事故を契機として、一酸化炭素中毒によるパーキンソニズムを発症し、これにより両上肢機能障害、体幹機能障害(座位不能)等の神経系統の機能及び精神に著しい障害を残し、随時介護を要する状態になったもの(後遺障害等級二級三号)と認められ、本件事故と原告の後遺障害との間には因果関係があると認められる。

(二)  なお、乙四号証(医師鈴木庸夫作成の意見書)には、原告に生じた障害はいずれも原告にもともと存在している既往症たる脳血管障害に起因するものであって、本件事故とは因果関係はない旨の記載があるが、前記認定、判断に照らして採用できず、他に前記認定、判断を覆すに足りる証拠はない。

そして、加害行為と被害者の疾患とがともに原因となって損害が発生した場合において、当該疾患の態様 程度などに照らし、加害者に全部を賠償させるのが公平を失するときは、裁判所は、損害賠償の額を定めるに当たり、民法七二二条二項の規定を類推適用して、被害者の当該疾患を考慮することができると解されるところ(最高裁判所平成四年六月二五日第一小法廷判決民集四六巻四号四〇〇頁参照)、本件においても、右に認定したような原告にもともと存在していた障害の態様、程度などに照らすと、原告に生じた後遺障害の全部を被告らに負担させることは公平を失することになると解されるので、損害賠償額の算定に当たり右の原告固有の障害を考慮し、原告の全損害から三割を減額することとするのが相当である。

四  争点4(損害額)について(計算額については円未満を切捨てる。)

1  治療費 六万三九五一円

内訳

(1) 林病院分(甲八の1、2) 一万八五六六円

(2) 刀根山病院分(甲一〇の1ないし3) 四万五三八五円

2  入院付添費 四万九五〇〇円

訴外禮子は原告の入院期間一一日の間付き添っていたことが認められ(証人山﨑禮子)、前認定の原告の受傷の内容、程度に鑑みると、右付添の必要性はあったものと認められる。その付添費用としては一日当たり四五〇〇円が相当であるから、本件事故と相当因果関係のある付添看護費は四万九五〇〇円と認める。

3  入院雑費 一万四三〇〇円

入院期間一一日間にわたり、一日当たり一三〇〇円が相当であるから、本件事故と相当因果関係のある入院雑費は一万四三〇〇円と認める。

4  通院付添費 一四万二五〇〇円

訴外禮子は、原告が通院した五七日につき付き添ったことが認められ(証人山﨑禮子)、前認定の被告の受傷の内容、程度に鑑みると、右付添の必要性はあったものと認められる。その付添費用としては、一日当たり二五〇〇円が相当であるから本件事故と相当因果関係のある通院付添費は一四万二五〇〇円と認める。

5  休業損害 〇円

原告は本件事故以前に家族の食事の世話や留守番等の家事をすることはあったが、主に亡政一方において家事労働に従事していたのは訴外禮子であり、原告はときどき家事をするに過ぎなかった事実が認められる(証人山﨑禮子、被告隆幸本人)。したがって、受傷によって現実に喪失した利益があるとは考えられず休業損害は認められない。

6  後遺障害逸失利益 〇円

前記認定のとおり、原告には本件事故により後遺障害等級二級三号の後遺障害が残存しているが、右5で述べたとおり、事故前、主に亡政一方において家事労働に従事していたのは専ら訴外禮子であり、原告はときどき家事をするに過ぎなかったのであって、そもそも原告において事故がなければ利益が得られた蓋然性が立証されているとはいえないので、逸失利益は認めることはできない。

7  傷害慰謝料 一〇〇万円

本件事故によって原告が受けた傷害の程度、入通院期間等本件弁論に顕れた一切の事情を考慮して、右金額をもって相当と認める。

8  後遺障害慰謝料 一九〇〇万円

本件事故によって原告に残った後遺障害の程度、付添看護の内容等本件弁論に顕れた一切の事情を考慮して、右金額をもって相当と認める。

9  将来分の付添費 一一八三万三三〇〇円

原告は今後も生活していくに当たり、訴外禮子等原告の家族らの介護が必要であることが認められる(証人山﨑禮子及び弁論の全趣旨)ところ、その介護費用としては、一日当たり五〇〇〇円が相当であると認められる。また、現在八五歳の女子の平均余命が六年以上であることは当裁判所に顕著な事実であるから、原告は口頭弁論終結時から少なくとも六年は存命するものと認められる。したがって右五〇〇〇円に一年間の日数三六五日を乗じたうえ、症状固定時から平均余命までの中間利息のほか本件事故時から症状固定時までの中間利息を新ホフマン方式により控除し、原告の将来分の付添費の本件事故当時の現価を算定すると次のとおりとなる。

一八二万五〇〇〇円×(九・二一五-二・七三一)=一一八三万三三〇〇円

10  小括(原告の損害についてのまとめ)

(一) 以上当裁判所の認定した事実によれば、原告の受けた損害は三二一〇万三五五一円であると認められ、前記第三、二2認定のとおり、てん補されるべき損害額は原告の全損害額から三割を控除した額であるから、右三二一〇万三五五一円から三割を控除した二二四七万二四八五円が本件においててん補されるべき原告の損害ということになる。

(二) 弁護士費用 二二〇万円

原告が本件訴訟を遂行するに際して弁護士を依頼したことは当裁判所に顕著な事実であるところ、右認容額その他本件に顕れた一切の事情を考慮すれば、原告の弁護士費用は右金額をもって相当と認める。

第四結論

以上の通りであるから、原告の被告隆幸に対する請求は金二四六七万二四八五円及びこれに対する平成三年一〇月二五日から支払い済みまで年五分の割合による金員の支払を求める限度で理由があり、被告大東京火災に対する請求は金一〇〇万円及びこれに対する平成三年一〇月二五日から支払い済みまで年五分の割合による金員の支払を被告隆幸に対する判決確定を条件として求める限度で理由があり、右両被告の債務の支払関係は、被告大東京火災の負う債務の限度で不真正連帯債務関係となるので、主文のとおり判決する。

(裁判官 松本信弘 山口浩司 大須賀寛之)

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